給湯器の「あんしん点検」は受けるべき?1万円以上の費用を払うメリットと、点検せずに買い替えるべき判断基準


「給湯器のリモコンに888という数字が点滅している」「メーカーから点検のハガキが届いた」…そんなとき、真っ先に気になるのが**「この点検、本当に受ける必要があるの?」**ということではないでしょうか。

給湯器の「あんしん点検」は、一般的に1万円前後の費用がかかる有償のサービスです。「壊れていないのに1万円払うのはもったいない」と感じるのも無理はありません。しかし、点検を無視して使い続けることにはリスクもあり、一方で「点検せずに買い替えた方がお得」なケースも確実に存在します。

この記事では、あんしん点検を受ける具体的なメリットや、点検費用を払う価値があるかどうかの判断基準、そして「点検するより買い替え」を選ぶべきタイミングについて、忖度なしで詳しく解説します。


1. そもそも「あんしん点検」とは?受ける義務はある?

「あんしん点検」とは、メーカーが推奨する**「経年劣化による事故を未然に防ぐための健康診断」**のようなものです。

以前は法律で義務付けられていた「法定点検」の対象製品もありましたが、2021年の法改正により、現在多くの家庭用ガス給湯器は「特定保守製品」から除外されました。つまり、現在は**「受けるかどうかは所有者の自由(任意)」**となっています。

それでもメーカーが点検を勧めるのは、給湯器が「火」と「ガス」を扱う精密機械だからです。10年近く使った機器は、見た目が綺麗でも内部の配管やセンサーが劣化しており、一酸化炭素中毒や火災の原因になる恐れがあるため、安全性の確認を推奨しているのです。


2. 1万円以上の費用を払って点検を受ける「3つのメリット」

決して安くない点検費用ですが、受けることで得られる具体的なメリットは以下の通りです。

① 重大事故のリスクを回避できる

最大のメリットは「安全性」です。不完全燃焼、内部のホコリによる発火、ガス漏れなどは目視では気づけません。プロが専用の機器で測定することで、自分では気づけない危険の芽を摘み取ることができます。

② 「突然お湯が出なくなる」事態を防げる

給湯器が故障するのは、決まって「お湯をたくさん使う冬場」です。最も困る時期に突然お湯が使えなくなるストレスは相当なもの。点検で故障しそうな箇所を事前に把握できれば、計画的に修理や交換の準備が進められます。

③ 専門家から「あと何年使えそうか」のアドバイスがもらえる

点検員は数多くの現場を見ているプロです。「今の状態ならあと2〜3年は大丈夫そう」「この部品がかなり痛んでいるので、次壊れたら交換ですよ」といった、リアルな診断が受けられます。これは今後の予算を立てる上で非常に有益な情報になります。


3. 点検せずに「買い替え」を選ぶべき3つの判断基準

一方で、**「1万円払って点検を受けるのは損」**と言えるケースもあります。以下の条件に当てはまる場合は、点検をスキップして新しい機種への買い替えを検討しましょう。

基準①:設置から10年を超えている

給湯器の設計寿命は10年です。点検で「異常なし」と診断されても、その1ヶ月後に別の場所が故障する可能性は十分にあります。10年経った給湯器に1万円の点検費をかけるなら、その1万円を新しい給湯器の購入資金(相場:15万〜25万円程度)に回した方が、長期的には賢い選択です。

基準②:メーカーの部品保有期間が過ぎている

多くのメーカーは、製品の生産終了から約10年で修理部品の保有を終了します。点検で「この部品が劣化していますね」と言われても、**「部品がないので直せません」**という結論になることがよくあります。これでは、点検費用の1万円が無駄になってしまいます。

基準③:すでに不調を感じている

「異音がする」「温度がバラつく」といった症状がすでにある場合、点検をしても結果は「要修理」か「要交換」のどちらかです。修理が必要になれば、点検費とは別に修理代(数万円〜)がかかります。それなら最初から「交換の見積もり」を業者に依頼した方が効率的です。


4. 点検か買い替えか迷った時の「損をしない立ち回り」

「まだ5〜7年しか経っていないけれど不安」という方は点検を受ける価値があります。しかし、8年以上経過している場合は、以下の流れで動くのが最もコストパフォーマンスが良いでしょう。

  1. まずは「無料」の簡易見積もりを依頼する:

    メーカーの点検(有償)を呼ぶ前に、ネットの給湯器交換専門店などに現状の写真を送り、概算の見積もりを取ってみましょう。今の機種がどれくらい安く交換できるかを知ることで、1万円の点検費を払うかどうかの物差しができます。

  2. エラーコード「888」を消したいだけなら:

    リモコンに表示される「888(点検通知)」は、特定の操作やメーカーへの連絡で消すことができます。「故障ではないけれど表示が邪魔」というだけであれば、無理に高い点検を受ける必要はありません。


5. まとめ:あなたの家の給湯器にとっての正解は?

給湯器の「あんしん点検」は、**「あと数年は今の機械を安心して使い続けたい」**という方のための保険です。

  • 受けるべき人: 設置から7〜8年程度で、まだ数年は今の給湯器を使いたい、安全性を第一に考えたい人。

  • 買い替えるべき人: 設置から10年前後が経過している、またはすでに不調を感じている人。

1万円という金額は、家族の安心を買うためのコストとしては決して高くありません。しかし、寿命を迎えた機械にかけ続けるのは非効率です。ご自宅の給湯器の「年齢」を確認し、今のあなたにとって「安心」と「節約」のどちらが優先か、じっくり考えてみてくださいね。



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